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マルチサーブ導入事例 ≪特別養護老人ホーム 川口結いの家 様≫

入所者様の「食べる喜び」を大切に。食事の質と働き方を両立する、マルチサーブの新しい食事提供

特別養護老人ホーム 川口結いの家 様

愛知県碧南市の特別養護老人ホーム 川口結いの家 様では、給食委託会社の撤退をきっかけに、完調品を活用した新しい食事提供体制へ移行しました。再加熱方法として採用したのが、エレクターの再加熱ワゴン「マルチサーブ」です。

現在は各フロアにマルチサーブを配置し、介護スタッフが盛り付けから再加熱、配膳までを担当。2ユニット20人を一つの単位として、入所者様に合わせた食事提供を行っています。なぜマルチサーブを選んだのか。実際の運用方法や導入後の変化について、施設長の齋藤様と外国人支援主任の若杉様に伺いました。

川口結いの家
施設長 齋藤 健 様

施設長 齋藤 健 様

介護主任の若杉様

外国人支援主任 介護福祉士 若杉 美穂 様

導入前の課題

委託会社の撤退。約2か月で新しい食事提供体制を構築

きっかけは、長年食事提供を担っていた委託会社からの撤退の申し出でした。2025年8月に撤退が決定し、10月末までの約2か月で新しい食事提供体制を構築することになりました。

「これまでは三食、きちんと提供していただいていました。自分たちでどう食事を提供するのかなんて、想像もしていなかったので、本当に不安しかありませんでした」と齋藤様。

厨房の様子

委託会社の撤退が導入のきっかけ

一方、施設では以前から厨房の人手不足や物価高騰などを背景に、食事提供に課題を感じていました。コロナ禍以前にはニュークックチル方式への切り替えを検討したこともあり、特にソフト食を取り入れたいという管理栄養士の強い思いがありました。

若杉様によると、「これまでの外国人採用も順調で、職員数が充足してきたことにより、現場で運用ができるのではないかという判断材料になりました」と。

そこで委託会社の撤退を機に、改めて食事提供の方法を検討。施設内で一から調理するのではなく、完調品を活用することに決めました。そのうえで次の課題となったのが、完調品を施設内でどのように再加熱し、入居者様へ提供するかということでした。

マルチサーブを選んだ理由

「ユニットの中で食事提供を完結させる」が選定のポイントに

再加熱方法について、湯煎やスチーマー、再加熱機器など複数の方法を検討。それと並行して、完調品メーカーにも再加熱や食事提供の方法について相談を進めました。
以前、湯煎を試した際には、お湯を沸かすなど食事前の準備に職員の手が取られるうえ、フロア内のキッチンで行うことから、入居者様のやけどを心配する声も現場から上がっていました。

再加熱機器についても複数の製品を比較。その中で齋藤様が重視したのが、「ユニットの中で食事提供を完結させること」でした。

厨房の様子

介護スタッフが盛り付け、マルチサーブへセット

「現場の職員が、入居者さんのことを一番よく分かっています。だからこそ、一人ひとりに合わせた細かい工夫ができると思いました」

川口結いの家様では、2ユニット20人を一つの生活単位としています。食事も介助も生活も、できるだけその単位の中で完結させる。その考え方に合ったのが、20食を収容できるマルチサーブでした。

設置に必要な三相200V電源についても確認し、各ユニットのマルチサーブの設置場所まで電源を引けることが判明。施設の運営方法、容量、性能、設備条件などを総合的に検討し、採用を決めました。

導入の10日前には1フロア2ユニットで3日間の先行運用を実施。職員が実際の食材を使って盛り付けから提供までを体験し、必要物品やオペレーションの確認をしながら、他のフロアの職員にも運用を見てもらいました。

「各フロアで人員配置もハード面も違います。『このやり方が正解』というものはないと思っています。トライしながら結果を見て、常にアップデートしていくという考え方です」と齋藤様。

マルチサーブの使い方

2ユニット20人を1台で。介護スタッフが盛り付けから再加熱、配膳までを担当

川口結いの家様では、2~4階の各フロアにマルチサーブを2台ずつ、計6台配置。1台で2ユニット、20人分の食事を準備しています。完調品は納品後に1階の冷蔵庫で一次保管し、介護スタッフが各フロアの冷蔵庫へ運び、盛り付けから提供までを行います。

運用イメージ
配膳の様子

1人で20食を盛り付け、マルチサーブへセット。再加熱後はカートで各ユニットへ運び、入居者様の状態にあわせてトレイメイクし、配膳します。食事後の食器洗浄もユニット内で行っています。

朝食は夜勤スタッフが前日に盛り付け、昼食は午前中に準備するなど、施設の勤務体制に合わせて運用しています。また、すべての運用を一律に決めるのではなく、一定のルールを設けながら、それぞれのユニットの人員配置や入居者様に合わせて工夫していることも特徴です。

入居者様を日頃から見ている介護スタッフが盛り付けを担当することで、「この方は体調が良くないので少し量を減らそう」「この方はこの料理が好きだから少し量を増やそう」といった、一人ひとりの食事量や好みを把握したうえで、盛り付けを調整できます。

食器の蓋には入居者様の名前を貼り、誰の食事かを分かりやすくすることで、個別対応をしやすくするとともに、配膳時の取り違えも防いでいます。

導入効果

温かい食事の提供から、入居者様の健康、施設運営にも変化

以前は1階の厨房から料理をユニットへ運び、冷めた場合には電子レンジで温め直すこともありました。現在はマルチサーブで再加熱した料理をふた付きの食器で運び、入居者様の目の前でふたを開けて提供しています。

「ふたを開けると湯気が立ち、ふわっと匂いが広がります。家庭では当たり前かもしれませんが、施設でそれを実現できたことは大きかったです」

齋藤様は、温度だけでなく、見た目や香りなども食欲につながっているのではないかと感じています。

配膳の様子

各ユニットで入所者様の状態に合わせてトレイメイク

「食事は、見た目も、柔らかさも、匂いも大事です。五感を刺激しながら食べるものですから。ユニットの中でマルチサーブを使い、目の前で温かい食事を提供する。その選択がどれほど大きかったかは、今になって分かります」

ショートステイでは、「おいしいね、おいしいね」と食事を楽しむ利用者様の声も聞かれています。また若杉様によると、以前は魚料理をほとんど口にしなかった入居者様が、魚を食べるようになったケースもあったといいます。

さらに、食事提供の仕組みを変更した後には、入居者様の体重増加や血液検査における栄養データの改善も見られ、栄養補助食品の使用量も減少しています。

これはマルチサーブ単体による効果ではなく、完調品への切り替えを含めた食事提供システム全体の見直しによる変化です。その中で、温かさや香りまで含めて食事を楽しめる環境も、食べることを支える一つの要素になっています。

「一番大事なのは、入居者さんの健康や食事が良くなっている、改善されていることです」と齋藤様。

一方で、介護スタッフが盛り付けを行うため、新たな業務も発生しています。こうした中、盛り付けなどを介護職以外のスタッフへ分業するなど、介護スタッフが本来の業務に集中できる体制づくりも進めています。

施設運営の面では、月額の食事関連コストでは、人件費3人分程度に相当する削減効果があり、その分を調理補助や職員の加配に活用できるようになりました。

外国人スタッフの割合も多い川口結いの家様では、職員の加配がユニット内での食事提供の完結や介護以外の周辺業務のワークシェアリング体制づくりにつながっています。

これからの展望

入居者様の「食べる喜び」を、これからも支えていく

川口結いの家様では、現在の運用を完成形とは考えていません。今後は盛り付けを行う時間帯を工夫し、日中の介護スタッフがより介護業務に集中できる体制を検討しています。また、イベント食や行事食への活用も考えています。

「将来は、おせち料理の盛り付けを入居者さんと一緒にできたらいいですね。入居者さんも職員も一緒に楽しむことにつながると思います」と若杉様。

施設の人員配置や入居者様の暮らし方に合わせ、マルチサーブの使い方そのものを工夫していく。川口結いの家様では、現在もより良い運用方法を模索しています。

配膳の様子

施設に合った運用で食べる喜びを

そして齋藤様は、今回の切り替えを振り返ってこう話します。
「きっかけは委託会社の急な撤退でしたが、結果的には食事提供を見直す良い機会になりました。今では、このタイミングで切り替えてよかったと思っています」

導入を検討する施設に伝えたいのは、コストだけではなく、その先にいる入居者様を見ることだといいます。

「入居者さんの食事の喜び、食べられる量が増え、おいしいものを楽しみ、栄養状態も良くなっていく。その変化をきちんと見ることが大切です」

川口結いの家様では、施設に合った運用を工夫しながら、入居者様の「食べる喜び」を支える食事提供を続けています。

取材を終えて

ERECTAスタッフ

エレクター株式会社
チーフコンサルタント
管理栄養士

大原 和美

今回お話を伺って印象に残ったのは、マルチサーブの導入後も、現場の皆様がより良い食事提供を目指して、運用を工夫し続けていることです。

2ユニット20人という施設の運営に合わせてマルチサーブを活用し、入居者様をよく知る介護スタッフが一人ひとりに合わせて食事を準備する。川口結いの家様ならではの使い方がつくられていました。

マルチサーブの使い方は、施設の人員体制や食事提供の考え方によってさまざまです。今回の取り組みが、マルチサーブの導入を検討されている皆様にとって、自施設での運用を具体的にイメージするきっかけになればうれしく思います。

川口結いの家様のマルチサーブ運用

マルチサーブジュニア
導入機種 マルチサーブ・ジュニア
導入台数 6台
設置場所 2~4階の各フロア
運用単位 1台あたり2ユニット・20人分
食事方式 完調品を活用
盛り付け 介護スタッフが担当
運用の流れ 盛り付け → マルチサーブへセット → 再加熱 → 各ユニットへ運ぶ → トレイメイク → 配膳

再加熱ワゴン「マルチサーブ」

チルド冷蔵・再加熱・搬送・盛り付けが一台で完結。あたたかい食事を目の前で盛り付け・提供できるので、施設のサービス向上に貢献できます。ユニット型特養などの施設の食堂での運用に最適です。

マルチサーブ

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