従来の食事提供の課題
加熱調理した食事をすぐに提供する「クックサーブ」は、仕込みから加熱、提供までの一連の流れがシンプルでわかりやすいことが特徴です。しかし、一度に多くの食事を提供する場合、クックサーブだといくつかの課題が出る場合があります。
例えば、「加熱調理後2時間以内に喫食する」という大量調理施設衛生管理マニュアルで定められたルールを守れない場合があります。特に食種が複雑な病院・高齢者給食では盛り付けに時間がかかるため、調理終了後から喫食までに時間を要して、食中毒発生のリスクが高くなりやすいのです。
また、クックサーブでは加熱調理・盛付作業が配膳前の時間に集中するため、特にその時間帯は多くの人員が必要になります。朝食提供では4時、5時といった早朝出勤のスタッフが必要となり、人手が確保しにくいという課題が生じやすいのです。
新調理システムといわれる「クックチル」であれば、料理をあらかじめ作り、急速冷却して冷蔵保存できます。当日は、提供する時間に合せて再加熱するだけ。調理作業の煩雑さから解放されます。盛付作業はクックサーブと同様に行うため、食種・食数によっては、盛り付け、配膳車組み込みに時間がかかる場合があります。
再加熱カートを用いた「ニュークックチル」は、冷却した料理のまま食器に盛り付けトレイメイク。トレイメイクした状態のまま再加熱します。再加熱後すぐに提供するので2時間以内の喫食も実現できます。盛付・トレイメイクも前倒しできることより朝食の準備は前日に行えます。効率的な運用により、少ない人数での朝食提供が可能になります。
クックチルの流れ
クックチルの調理工程は、以下の通りです。
●加熱調理
食材を加熱調理します。スチームコンベクションオーブン(スチコン)を用いれば、効率的な調理ができて均一に仕上がります。
●急速冷却・チルド保存
加熱調理後30分以内に、ブラストチラーなどで冷却を開始。90分以内に中心温度が3℃以下に冷却します。0~3℃で最大5日間保存できます。
●再加熱
再加熱を行います。再加熱にもスチコンが利用できます。
●盛り付け、配膳
再加熱したら食器に盛り付けて、配膳車にセット。温冷配膳車で配膳することが多いです。
ニュークックチルの流れ
クックチルと異なるのが、急速冷却後の流れです。
●加熱調理
●急速冷却・チルド保存
まではクックチルと同様です。
●盛り付け・チルド保存
急速冷却後、チルド状態のまま料理の盛り付けを行います。トレイメイクした状態で再加熱カートに入れて、再加熱が始まるまでチルド保存します。
●再加熱、配膳
再加熱カートで再加熱を行います。再加熱は、タイマー機能により自動で行われます。再加熱後、すぐに配膳できます。
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