万博ドイツパビリオンと「アイスフィンク」の挑戦!

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エレクター株式会社

B!

移動する厨房!? 未来社会に貢献する「アイスフィンク」の真価

2025年10月、大好評のうちに幕を閉じた大阪・関西万博。本場の味が楽しめると人気を博したドイツパビリオンのレストランでは、無煙調理ワゴン「アイスフィンク」が活躍していました。

レストランの運営会社78degreesが万博会場で「アイスフィンク」を採用するのは今回で3回目。
半年間という期間限定での施設に、なぜ「アイスフィンク」が選ばれるのか。そこには理想の未来社会を叶えるための理念に基づいた想いがあります。

単なる調理設備にとどまらない、移動型厨房ソリューションの真価について、ドイツパビリオン内レストラン「Oishii! Germany」を運営する78degreesへインタビューしました。

目次

「再利用できる厨房」を体現したドイツパビリオンを現地取材

インタビュアー:大浦英之(エレクター株式会社)

【代表インタビュー】
持続可能な厨房を支える「アイスフィンク」の真価とは?
ドイツパビリオン内レストラン“Oishii! Germany”78degrees代表 トーマス・ゴットシュリヒ氏に聞く

Thomas Gottschlich氏
78degrees 代表取締役社長
(2025年大阪・関西万博 公式レストラン運営会社)

大浦
ドイツパビリオンのテーマ「わ!ドイツ」は循環型社会を意識し、非常に印象的です。このコンセプトに込められた想いについて教えていただけますか?
トーマス氏
「わ!」には驚きや感動という感情だけでなく、「環(わ)」=循環、「和(わ)」=調和という意味を重ねています。私たちは、来場者に持続可能な社会のビジョンを体感してもらいたいと考えています。
大浦
その理念のもと、弊社の「アイスフィンク」をご採用いただき、大変光栄です。今まで仮設の厨房設備は使い捨てられる資材が多かったですが、廃棄せずに再利用可能な厨房設備は、循環型社会への一歩になりますよね。

「循環」をテーマに持続可能な社会を体感できるパビリオン

大浦
初めてご使用されたのはどのような機会だったのでしょうか?
トーマス氏
2020年のドバイ万博です。実際に厨房現場で使用し、非常に効率的で機能的だと感じました。以後、今回が3回目の採用になります。仮設環境で高品質な食事を提供する私たちにとって、アイスフィンクは欠かせません。
大浦
何が現場でそれほど評価されているのでしょうか?
トーマス氏
最大の特長は「再利用できる機動性」です。キャスター付きで移動が簡単、調理機器もIH・グリドル・フライヤーなどを柔軟に組み替えられます。省スペースで複数の調理工程に対応できるのも利点です。

限られたスペースに効率よく配置されたアイスフィンク

大浦
再利用可能で柔軟という点は、ドイツパビリオンの設計思想にも合致していますね。
トーマス氏
まさにその通りです。アイスフィンクには、実践的なサステナビリティが反映されています。換気設備を内蔵し、ダクト不要でどんな現場でも使える。移転先への移動もスムーズなので、別のイベントへそのまま持ち込める汎用性もあります。
大浦
今後も導入の機会は増えそうですね。
トーマス氏
はい。「再利用できる厨房」は今や現実的な選択肢であり、アイスフィンクはその先駆的存在です。持続可能性が前提となるこれからの時代において、まさに“次のスタンダード”だと思っています。
大浦
本日は貴重なお話をありがとうございました。

ドイツパビリオン内レストラン“Oishii! Germany”

【現場インタビュー・レストラン編】
どの現場でも同じ機器が使えて、仮設現場での運用にも最適
レストラン“Oishii! Germany”調理責任者 ギード・ブーザー氏に聞く

Guido Buser氏
レストラン“Oishii! Germany”調理責任者

大浦
本日はお時間いただきありがとうございます。料理も非常に美味しく、特にソーセージが印象的でした。こちらでは、すべてアイスフィンクで調理されていると伺いました。
ギード氏
はい、当店ではほぼすべての料理をアイスフィンクで調理しています。ドイツの伝統料理を大切にしつつ、日本の味覚を取り入れたフュージョンメニューにも挑戦しています。旬や地元の食材を使い、サステナブルな食体験を大切にしています。
大浦
幅広いメニュー構成ですね。日本のお客様にも馴染みやすいメニューで連日行列ができていたのもうなずけます。

グリル調理や鍋での調理、揚げ物まで様々な料理に対応可能

大浦
連邦州ごとの企画も行われているとか?
ギード氏
現在「Federal States Weeks」という企画を実施中で、ドイツ16州それぞれの料理や飲み物を週替わりで紹介しています。文化的背景と共に食の魅力を伝える取り組みです。アイスフィンクは、その多様なメニューにも柔軟に対応してくれています。
大浦
おすすめの料理はありますか?
ギード氏
一番人気は「カリーヴルスト」です。香ばしく焼いたソーセージに自家製のカレーケチャップをかけたもので、日本のお客様にも好評です。

一番人気の「カリーヴルスト」

大浦
大量のソーセージ調理には、グリドルの性能が問われますね。
ギード氏
立ち上がりが早く、熱量も強く、大量調理に最適です。内蔵の排気システムにより、煙や油分がこもらず快適な厨房環境を保てます。実は以前から海外イベントでアイスフィンクを使用していて、どの現場でも同じ機器が使えるのは安心感があります。
大浦
アイスフィンクの中で、特に優れていると感じる点は?
ギード氏
カセット式の調理機器ですね。調理内容に応じて自由に構成を変えられ、厨房の動線設計が柔軟になります。また、換気装置がワゴンに内蔵されているため、ダクトの設置が難しい仮設会場でもそのまま使えるのは非常に便利です。
大浦
仮設現場での運用にも最適なわけですね。本日はありがとうございました。

本体に排気システムを内蔵しているため、ダクト設置できない会場でも使用可能

【現場インタビュー・オペレーション編】
11名のスタッフで対応するスピード厨房
アイスフィンクが支える万博レストランの現場力
レストラン“Oishii! Germany”調理責任者 フランツ・ミュールベルク氏に聞く

Franz Mühlbergr 氏
レストラン“Oishii! Germany”調理責任者

大浦
短時間で多くのお客様に料理を提供するために、かなり工夫されているのではないかと思います。現在の厨房オペレーション体制について教えてください。
フランツ氏
厨房は11名体制で運営しています。スペースが限られているため、効率的なレイアウトと機器選びが非常に重要です。アイスフィンクはコンパクトでカセット式の調理器を入れ替えられるため、作業内容に応じて柔軟に配置変更でき、動線を妨げることなく調理から提供までスムーズに進行できます。

160席あるレストランは連日満員となった

大浦
今回、アイスフィンクを使うのは初めてとのことですが、いかがですか?
フランツ氏
はい、初めてですが非常に直感的で扱いやすいです。グリドルでソーセージを焼き、フライヤーでポテトを揚げ、IHでソースを温める――この3つの調理工程を3台のアイスフィンクで効率的にこなせています。スピード・安定性・操作性のすべてが揃っており、信頼できる機器だと実感しています。
大浦
初めてでも直感的に扱えるというのは、スタッフを多く抱える現場でも安心ですね。

アイスフィンクのフライヤーでポテトを揚げるフランツ氏

大浦
厨房にはアイスフィンクと同じメーカーであるリーバー社のサーモポートも見かけました。どのように使われているのですか?
フランツ氏
通常はケータリングの保温ボックスですが、料理の一時保管に使っています。ピーク時に備えて仕込み済みの料理を温度管理しながら保持でき、提供のタイミングを調整しやすくなります。移動可能なので、万博後もケータリングなどで再利用できますし、アイスフィンクとの組み合わせとして非常に理にかなっています。
大浦
調理から提供までの流れが一貫して効率化されているのですね。
フランツ氏
その通りです。機器単体の性能だけでなく、「厨房全体としてどう機能するか」が重要です。今回の構成は、次の現場にもそのまま引き継げる汎用性を持っており、現場にも企業にも価値のある投資だと感じています。

保温機能に優れるサーモポートを活用し、調理の効率が向上

サーモポート(保温・保冷ボックス)で作業効率を向上

サーモポートはガストロノーム国際規格に準拠した、ガストロノーム(ホテルパン)搬送用の保温・保冷ボックス。1/1~1/9サイズに対応し、保温・保冷ともに優れた温度維持能力を発揮します。

専用ドーリー(台車)により大量の搬送も安全に行うことができます。

万博で体験した未来社会

2025年大阪・関西万博では、来場者に向けたショーケースとともに、建築やエネルギー、物流といった“裏方”にも注目が集まりました。
持続可能な社会のために何が必要なのか、未来社会への成熟度が試される挑戦の場となったのです。

中でも、イベント後に設備や資材をどこまで再活用できるかといったサステナビリティは重要な要素の一つ。単に「再生可能」な素材を選ぶだけでなく、インフラや厨房設備に至るまで「機能ごと再利用」する視点が求められました。

「循環・共生・体験」が融合するドイツパビリオンとは?

ドイツパビリオン「わ! ドイツ」は、“驚き(Wow!)”と“環(循環)”“和(調和)”を掛け合わせたコンセプトのもと、環境配慮型の建築と展示空間を設計しました。

特徴的なのは、モジュール式構造による再配置のしやすさや、90%以上がリユース可能な素材選定、廃漁網を再利用したファブリックなど。これらは、解体後の再活用まで視野に入れた設計思想に基づいています。

その一環として、レストランの厨房設備にも特別な配慮が求められました。そこで導入されたのが、「移動できる厨房」=アイスフィンクです。

仮設厨房が抱える“持続可能性”の課題

仮設の厨房設備は、イベントごとに設置・解体されるのが通例で、大量の資材が使い捨てられてきました。

特に厨房機器は再配置の難しさや油汚れ、重量、電源仕様の違いなどから廃棄されやすい存在です。
この課題に対し、ドイツパビリオンは厨房そのものを「再利用可能なユニット」としてアイスフィンクを採用したのです。

「厨房=インフラ」の常識を覆すアイスフィンク

アイスフィンクは、無煙調理・換気一体型の調理ワゴン。キャスター付きで移動が容易、現場の制約にとらわれず質の高い調理を実現。
国際イベントや駅ナカのポップアップなど、限られた空間での多機能性が高く評価され、ドイツパビリオン内レストラン運営会社では3度目の採用となりました。

「アイスフィンク」製品紹介

「eisfink(アイスフィンク)」は、独自の排気浄化システムを搭載した無煙調理ワゴン。ワゴン本体で油煙や油脂、水分を含んだ空気を浄化します。

吸引力は一般的な無煙調理ワゴンの約3倍。電源さえあれば、排気設備のない場所でも調理が可能。また、グリドル(シングル・ダブル)、IH調理器、IH中華、電気クッキングヒーター、電気ディープフライヤーと6種類の調理機器をカセット式で組み替えて使用できるので、1台で様々な料理に対応できます。

詳しい製品情報はこちら

お問い合わせ

2026年夏、大阪に「Oishii! Germany」レストランオープン!

万博会場で大人気となった「Oishii! Germany」が、多くのお客様のリクエストに応えて大阪・難波エリアに出店することとなりました。

厨房で使っていた「アイスフィンク」や「サーモポート」はそのまま新しいレストランでも使用されるとのこと。まさに移動できる厨房の機能の本領発揮です。

店舗の場所やメニューの内容など、まだ詳細はこれからとのことですが、このページでも詳細が決まり次第お知らせいたします。

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