ネステナーのメリット・デメリット、他の保管機器との安全性の違いは?

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エレクター株式会社

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「ネステナーは呼び方がいくつかあるけど、何が違うの?」「ネステナーには様々な仕様があるけど、どんなタイプがいいの?」など、お悩みの物流倉庫のご担当者様もいらっしゃることでしょう。この記事ではネステナーの特長や他の保管機器との違い、エレクター製のネステナーについてご説明させていただきます。

そもそもネステナーとは?


ネステナーとは、アメリカで開発されたポータブルラックの機能を持つスチール製の保管ラックです。1973年に日本ネスタウエイ株式会社(現エレクター株式会社)が日本市場へ導入。使用しない時には組み込んで保管できる入れ子式で、その形が鳥の巣(ネスト)に似ていることから「ネステナー(※)」という名前がつけられました。

※「ネステナー」はエレクター株式会社の登録商標です。


※「ネステナー」という名前は、組み込んで保管(ネスティング保管)する状態が、鳥の巣に似ていることに由来します。

今日では、製品名がスチール製の保管ラックの代名詞にさえなっているネステナーですが、他には

と呼ばれているものもあります。
しかし、各社で仕様が異なったり、違う商品を差す場合もあります。

ネステナーはフォークリフトと組み合わせて使用するのが一般的です。保管物を載せたままフォークリフトで運び、そのまま収納できるため、利便性が高いのが特長です。 段積みできるので収納力を向上できることもネステナーのメリット。ネステナーがあれば、工場や倉庫で商品在庫や部品を効率良く保管できます。

ネステナーの種類


ネステナーには大きく以下の2種類があります。

それぞれの特徴や違いについて解説します。

正ネステナーとは

正ネステナーとは、荷物を置く棚の部分が下にあるネステナーのことです。フォークリフトで運搬する際には、保管物を載せたままネステナーを移動できます。倉庫内のレイアウトが頻繁に変わる現場や、荷物を直置きしたくない現場などに向いています。

逆ネステナーとは

逆ネステナーとは、荷物を置く棚の部分が上にあるネステナーのことです。逆ネステナー1台で2枚のパレットを保管でき、スペースを有効活用したい場合に重宝します。逆ネステナーを2台積み重ねれば、天地3段となり、3枚のパレットを収納可能です。

ネステナーのメリット・デメリットについて


ここでは、ネステナーの主なメリット・デメリットを紹介します。

ネステナーのメリット

ネステナーのメリットは、以下の4点です。

床に固定する必要がないので、すぐに使えるのもメリットです。運用に合わせてカスタマイズも可能です。

ネステナーのデメリット

ネステナーは工場から完成した状態で出荷されます。そのため、製作サイズに制限があることや、サイズによっては運送費が高くなるといったデメリットがあります。また床の強度が弱いとネステナーが置けないこともあります。ネステナー自体の重量も含めて、強度に問題がないかご確認ください。

他の保管機器との違いや、エレクター製のネステナーの特長とは


ネステナーと他の物流機器はどこが違うか、耐震性を中心に解説します。

ネステナーと他の保管機器を徹底比較

耐震性や荷崩れについて、下記の表にまとめました。

  パレットの直置き パレットサポート ポストパレット パレットラック ネステナー
耐震・荷崩れの総合評価 × ×
特徴

作業がカンタン

安定性が悪い

低コスト

段積みし易い


4点支持のため、安定性が悪い

折り畳み式や柱の取り外し式があり、運びやすい


4点支持のため、安定性が悪い

安全に高く積み上げられる


設置するのに費用がかかる

段積み作業がしやすい


輸送効率が悪い

耐震性 荷物の積み方で安定性が悪くなる 安定性がよくない 接合部がずれやすい アンカー止めをするため、荷重が一か所に集中し、柱が座屈する可能性がある 3角のレールオンレール方式で耐震性が高い
パレットの滑りや荷崩れ 安定性がよくない 倒壊の可能性がある 倒壊の可能性がある 安定している 専用ストッパーの取付によりパレットの滑りを防止できる

耐震・荷崩れに強いのもネステナーの特長です。

エレクター製のネステナー

エレクター製のネステナーは、安全・安心設計の強度計算により製造されてます。ベースプラス垂直荷重、さらに水平荷重も計算した値を用い、設計されています。エレクターのネステナーが安心してお使いいただける理由のひとつです。

また、他の6つの特長があります。

積載物に応じたオーダーメイドのネステナーをご提供します

エレクターでは、カタログやパンフレットに掲載された規格品だけでなく、積載したい保管物にあわせてオーダーメイドのネステナーを製造することも可能です。特殊な保管物や保管方法でも、強度や素材、カラーなど、ご希望に応じて特注のネステナーを製造いたします。

冷凍倉庫や冷蔵倉庫、食品倉庫など、特殊な環境にも対応するステンレス製のネステナーの製作も可能です。またカラーバリエーションも、通常の赤に加え黄や青など複数の色を用意。保管内容に応じて色分けすることにより、保管物の判別がしやすく管理機能の向上が図れるでしょう。

また、オプションも豊富です。荷崩れ防止用のガード類や、フォークリフトの差し込みを正確にするためのフォークガイド、小物類のこぼれ止めとして床板張りなどのオプションをご用意しています。また現在ご使用中のネステナーに後付けできるオプションとして、1台のネステナーを上下2段に分割できるセパレートシステム、ネステナー同士を連結する連結金具などもご用意しています。

ネステナーの具体的な運用が決まっておらず「こんな風に考えているんだけど」といったご相談でも、内容をヒアリングさせていただき、最適な製品をご提案いたします。イメージを膨らませるヒントとして、ネステナーの納入事例もぜひご覧ください。

■ネステナー製品ページ
https://www.erecta.co.jp/brand/nestainer.html

■ネステナー納入事例
https://www.erecta.co.jp/brand/nestainer/case.html

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