エレクター株式会社
入院患者・入居者にとって、楽しみのひとつである食事。しかし、給食の現場には多くの課題があります。本記事では、「朝食提供」に関する課題について触れていきます。
朝食を8時に提供するためには、4時5時といった早朝から出勤しなくてはならないことも。公共交通機関を利用して通勤している場合、始発での通勤では勤務開始時刻に間に合わないことがあり、早番は宿直をすることも少なくありません。シフト制の中の早朝勤務は体力的にも精神的にも厳しく、大きな負担がかかります。
良いとは言えない労働条件に、人口減少・高齢化、雇用単価の上昇が相まって、現場では人手不足が深刻化しています。スタッフ確保に頭を悩ませている病院・高齢者施設も多く、特に早番は人が集まりにくいようです。
病院・高齢者施設給食では、クックサーブ(当日調理)が一般的ですが、再加熱カートを使用したニュークックチルを導入する病院・高齢者施設が増えています。
ニュークックチルとは、下記の手順に沿って行われる新調理システムです。
ニュークックチルでは、冷却工程があることで「調理」と「提供」が切り離され、消費期限が「調理日を含む5日以内」となります。さらに、盛付・トレイメイクも事前に行うことができるため、前日までに再加熱カートに朝食をセットしておけば、当日の朝は再加熱カート内で自動的に加熱するだけで配膳が可能になります。時間のかかる盛付・トレイメイクの作業がないため、スタッフの出勤人数を大幅に削減し、出勤時間を遅らせることができます。
ニュークックチルの導入には、再加熱カートの購入費、調理・保管工程の変化による厨房機器購入費、設備工事費など、クックサーブと比較してイニシャルコストがかかる傾向にあります。また、温冷配膳車で使用している食器は再加熱カートには使用できないことが多く、食器の買い替えも必要となります。
クックサーブとニュークックチルでは運用方法が大きく異なるため、厨房計画の作成や作業工程の見直し、マニュアル化などのシステム構築に時間がかかります。新築の場合は開業の5年前、既存施設の場合はリニューアルの2、3年前に計画をスタートすることが多いです。
クックサーブで使用している献立・レシピの大半はニュークックチルでも使用可能ですが、うどんなど一部のレシピは、ニュークックチル用に変更する必要があります。また、ニュークックチルでは加熱を2度行うため、従来通りのレシピでは火が通りすぎた状態「オーバークック」を引き起こしてしまうことも。献立・レシピ作りは、検証を重ね慎重に行うことが重要です。
ニュークックチル導入前後の不安を解消するために、外部コンサルタントを使うのもひとつの手段です。エレクターではニュークックチル導入に関する専門のコンサルタント室を設置し、導入からアフターフォローまでサポートしています。
関連記事:クックチル(ニュークックチル)の導入からアフターフォローまでをサポート
『ニュークックチルを今すぐ導入できない!』といった、クックサーブ+温冷配膳車をお使いの病院・高齢者施設でも、エレクターの温冷配膳車「MOG smile」ならば、早朝出勤の負担を軽減できます。
通常、温冷配膳車をお使いの場合、温冷運転を稼働させ庫内が設定温度に達した後で料理をセットします。設定温度に到達するまでには、40~50分程度の時間がかかります。
そのため朝食準備の際、温冷配膳車稼働のためだけに他シフトより1時間前から出勤するケースもあります。
「MOG smile」は、空間に調和する、やわらかなデザインが特長の温冷配膳車です。人間工学に基づいて、さらに使いやすさを追求。誰でもすぐに操作でき、腕力に自信のない人も動かしやすいよう、使う人の立場で設計されています。
温冷配膳車「MOG smile」製品ページ