エレクター株式会社
タイプが複数種あるエレクターシェルフのうち、「スーパーエレクター」は1986年にグッドデザイン賞を受賞し、その後ロングライフデザイン賞も受賞している。今回エントリーされたのは「スタンダードエレクターシェルフ」である。スーパーエレクターやホームエレクターと異なるのは、円筒形のポールがなく全てワイヤーパーツのみで構成されていることだ。そのためスーパーエレクターやホームエレクターの棚の取り付けに必要なテーパードスリーブが不要で、スプリング構造の柱と棚板を嵌合するだけで組み立てることができる。耐荷重は棚板一段あたり250kg。スーパーエレクターと同等の強度も有している。安心できる強度がありながら空間を圧迫しない姿は、ワイヤーパーツを用いたエレクターシェルフシリーズ共通の価値である。スタンダードエレクターは、1956年に米国のインターメトロ社によって造られ1966年から日本でライセンス生産が開始されている。55年以上経った今なお基本寸法や構造、スタイリングや材質を変えていない。このことから、最初にデザインされた段階で遠い未来を予測できていたことがわかる。ロングライフデザインに必要なことは、スタンダードエレクターのような時代を超えて通用する不変的な標準を見出す先見性だろう。【引用元】グッドデザイン賞WEBサイト